冷え込みが厳しくなる季節、「寒仕込み」の時期がやってくると私の心は躍ります。空気中の雑菌が少なく、ゆっくりと発酵が進むこの時期は、味噌作りに最も適したシーズンです。
「大豆を煮て、麹と塩を混ぜるだけ」と聞くと簡単そうに思えますが、実はその工程一つひとつに、微生物たちが心地よく働くための「ルール」が存在します。今回は、私が過去にカビを大量発生させてしまった苦い経験をもとに、「これだけは避けてほしい」という地雷ポイントを論理的に整理しました。これから仕込む方も、今まさに仕込み中の方も、ぜひチェックしてみてください。
大豆の浸水と煮込み
大豆が硬いと麹菌の酵素が浸透せず、発酵がうまく進みません。親指と小指で軽くひねって潰れるくらい、徹底的に柔らかく煮上げてください。
塩切(しおきり)麹の準備
麹と塩を事前にしっかり混ぜ合わせる「塩切」が不十分だと、塩分濃度の低い場所から腐敗が始まります。

混合と温度管理
大豆の温度が60°C以上の状態で麹を混ぜると、大切な麹菌が失活してしまいます。必ず40°C以下(人肌程度)まで冷めてから混ぜてください。
容器への詰め込み
味噌の天敵は「酸素」を好むカビです。空気を押し出すように「味噌玉」を容器に投げ入れ、隙間なく敷き詰めるのが鉄則です。
カビが発生するのは、決まって容器の壁面に付着した「薄い味噌の残りカス」からです。詰め終わった後、清潔なキッチンペーパーにアルコールを浸し、内側の壁面をピカピカに拭き上げてください。 これだけでカビのリスクは激減します。
納豆禁止

味噌作りにおいて、納豆菌は非常に強力で麹菌の繁殖を妨げてしまうことがあります。念のため、仕込みの当日や前日は納豆を食べるのを控えるのが安全です。

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