米麹の作り方 基礎知識編

麹(糀)

米麹を家庭で作るための材料・道具の準備については前回まとめました。今回は米麹作成についての基礎知識をブログにまとめておきます。

前回記事 米麹の作り方 材料・道具編

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米麹の作り方

ヨーグルティアを使った方法」「米袋とクーラーボックスを使った方法」「クーラーボックスと電熱器を使った方法」「発砲スチロールを使った方法」「麹発酵器を使った方法」など米麹の作り方には様々な方法があるのですが、結局は米麹が育つ「温度」「湿度」「酸素」「清潔」の環境管理をどうするかという点に尽きる訳です。

どの方法で米麹を作るにしても米麹が育つ「温度」「湿度」「酸素」「清潔」の環境管理がしっかりできれば良い訳です。

そして、どんな方法で米麹を作るにしても「米麹の種付け」までは、ほぼ同じ手順となります。米麹の作り方の共通部分について下記にまとめておきます。

お米を洗う(洗米)

糠と汚れを落とすためにお米を洗います。現在は精米技術が進歩しているのでお米をゴシゴシ洗わう必要はありません。指先で軽く20回程度かき混ぜて素早く水をすてる作業を2回ほど繰り返してお米を研ぎます。濁りが残っていても、それはお米の美味しいデンプンです。透明になるまでお米を研ぐ必要があったのは精米技術がショボかった時代のことだそうです。

お米を水に浸す

お米の芯が残っていると麹菌が上手く繁殖できません。お米を水に浸して給水させます。下記は目安時間ですが寒い季節は時間を長めにとった方が良いです。

新米の場合6~8時間
古米の場合10~12時間

ボウルにお米と水を入れて、雑菌が繁殖しないようにラップをかけて水に浸します。夏場などは5時間程度で水を交換してやる必要があります。夏場などは雑菌が繁殖しないようにするため冷蔵庫内で保管しても良いですが、その場合20時間程度水に浸す必要があります。

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お米の水を切る

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ざるに上げて、最低でも2時間程度はしっかり水を切ります。水の切り方が甘いと、うまく蒸すことができず失敗する原因となります。途中でお米を混ぜて均一に乾くようにします。ざるは金属製のざるがお勧めです。プラスチック製品のザルは水切りが悪いです。ラーメンの湯切りのようにザルを振って水を切るとお米が割れてしまうので止めましょう。お米はそっと置いて、ザルの角度を変えるなどして水切りを促します。

お米を蒸して冷ます

強い蒸気で60分ほどお米を蒸します。スチーマーがあるとタイマー設定してほかっておけば良いので便利です。下記写真では蒸し布のサイズが大きすぎました。

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お米を指でつぶしてみて芯が無ければOKです。お米は「ちねる」ことができて、芯が無く、ベタベタせずに弾力が残っているくらいの蒸しあがりが理想です。

しゃもじでかき混ぜて余分な水分を飛ばしておきます。お米の表面がある程度乾燥していると麹が繁殖する際に水分を求めて米の中心に菌糸を伸ばしていきます。

米麹が米の表面に繁殖することを「破精廻る(はぜまわる)」と言い、米の内部に繁殖することを「破精込む(はぜこむ)」と言います。「破精込む(はぜこむ)」ような環境を整えてやると良い米麹が出来上がります。

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麹菌をまく(種付け・種切り)

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蒸したお米の温度が35度程度まで下がってから麹菌を振りかけます。「茶こし」や「振るい」など網目状の物を使って均一にお米に振りかけます。種麹の説明書によると、お米1kgに1g程度の種麹を使うとありましたが、麹菌は沢山使った方が成功率があがります。お米1kgに対して3g以上種麹の使用をお勧めします。

麹菌の繁殖温度30度前後
50度以上で死滅(40度以上でタンパク質が破壊されるのでダメージを負います。)、15度以下で活動停止、湿度90%程度あると繁殖し易い。30度前後で活動が活発化する。
乳酸菌の繁殖温度40度~50度
乳酸菌の種類により多少異なる。
納豆菌の繁殖温度40度~70度
納豆菌は強いので米麹を作る前には食べないでおく方が無難です。発酵温度を上げすぎると麹菌はダメージを受けて弱まり、納豆菌が繁殖してしまいます。
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夏などに米麹を作ると、空気中の乳酸菌や納豆菌が繁殖してしまい失敗する可能性があります。

お米を醸す

麹の温度を30度~32度で保ち発酵させます。湿度は90%~95%程度を保ちます。麹菌は発芽したら発酵するのに酸素が必要となります「温度」「湿度」「酸素」「清潔」の管理が重要となります。

温度30度~32度
湿度90%~95%
酸素麹発芽以降、酸素が大量に必要
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「ヨーグルティアを使った方法」「米袋とクーラーボックスを使った方法」「クーラーボックスと電熱器を使った方法」「発砲スチロールを使った方法」「麹発酵器を使った方法」等で麹が繁殖する環境を作ってやります。

手入れ1回目(種付けから約20時間後)

米麹の種付けから18時間~22時間後、米麹に菌糸が出てきたら1回目の手入れを実施します。手入れによって、米粒どうしが固まって、米に温度差ができるのでほぐしてやります。湿度も固まった米の内側は水分を多く含んでしまうのでバラしてやることで均一にしてやる訳です。

ちなみに、米麹が発芽して菌糸が出てくるまでは温度管理が重要です。発芽後は「温度の上がりすぎ」と「酸素不足」にも注意が必要となります。

手入れ2回目(種付けから約30時間後)

1回目と同じように手入れします。麹をほぐしてあげましょう。

手入れ3回目(種付けから約35時間後)

2回目と同じように手入れします。麹をほぐしてあげましょう。

完成(種付けから約45時間後)

栗のような香りがして、色は白く、米が麹菌でひっつき板状になれば完成です。

この状態からさらに保温時間を伸ばすと麹が黄緑色になります。タンパク質を分解するプロテアーゼが増えるため色が変わります。味噌などを作る米麹を作る場合はこちらの米麹が良いという説もあります。

さっぱりとした味わいの味噌を希望するのであれば、「白い米麹」で深味のある味噌を作りたければ「黄緑色の米麹」(老麹)を作ってみると良いかと思います。甘酒用の場合は「白い米麹」です。

完成した米麹の保存期間はおおよその目安として下記表程度になります。扇風機などで乾燥させて乾燥麹にするのであれば1年以上保管可能とのことで大変便利です。

冷蔵庫保管の場合3週間程度
冷凍庫保管の場合3か月程度
乾燥させて冷凍1年以上

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